2017-06-20

気がつくと10時を過ぎていた。夢の中でどこからか目覚ましのアラームが聞こえてきたという微かな記憶があるけれど、その時のぼくは、それが現実に起きる合図だとは気づかなかったようだ。8時に最初のアラームをセットしているので、2時間ほど夢現つの境をさまよっていたことになる。近頃はこういう、起きるのに必要だけれど現実的には不必要な時間、に多くのものを失っている気がする。

大学に着いたのは11時くらいで、出るつもりだった2限の講義はまだ続いているはずだったけれど、結局出るのはやめにした。憲法を「有機的に解明」するというその講義は、憲法の体系を新しい切り口から学習していくことを趣旨としているようだったが、そもそも普通の切り口から憲法を学習したことのないぼくにとって、その講義は余計に混乱を招くものだった。

昼前だったけれど、食堂が空いていたので先に昼食を済ませ、それから図書館に入った。読みかけだった文芸誌の中篇創作を読み終えたあと、授業の進度からかなり遅れている刑法の勉強をして夕方まで過ごした。

食堂で夕食を済ませてからバイトまで時間があったので、大学の生協書籍部で新刊の本を漁ることにした。『反「大学改革」論』なる本が目を引いたのでぱらぱらと読んでみる。元々は製品の品質改善に用いられていたPDCAサイクルを安易に授業計画の実行に適用するのは、本来的には誤用であり、そのような、まるで生徒を製品のように物象化する発想はどうたらこうたら、というようなことが書いてあった。それは確かにその通りなのだけど、社会が人を「人材」として、能力を身につけた/つけていない、成果を出せる/出せないとかいう基準で評価される、いわば利益のための道具として見る世の中で、その指摘はどこまで通用するのだろうと、ぼんやりと思った。

この日のバイトは21時前からと、かなり遅かった。本当は20時開始のはずだったけれど、生徒がいつものごとく遅れてやってきたので、その分終わる時間も遅くなった。帰宅すると日付が変わる直前だった。